上原社会保険労務士事務所は、中小企業主様だけでなく個人の方までトータルにサポート致します。

これは、半分当たっていて半分間違っています。
まず、老齢に貰える年金は全ての人が65歳から始まるわけではありません。

厚生年金に1年以上※1加入している人は、生年月日に応じて65歳前に特別支給の老齢厚生年金という年金が発生します。



この特別支給の老齢厚生年金を受け取る権利が発生している方は、前倒しで年金を貰う訳ではないので減らされることはありません。

ただし、以下の場合は年金額が減額されます。
�@特別支給の老齢厚生年金が61歳以降に発生する人がそれより前に受け取る場合
�A老齢基礎年金(国民年金)を65歳前から貰う場合
つまり、権利が発生する前に貰うと減らされてしまうということなのです。

※1 国民年金＋厚生年金＋共済年金で25年以上あることが前提です。

65歳前に貰える年金を「特別支給の老齢厚生年金」と言います。
この特別支給の老齢厚生年金は、貰うのを遅らせても増えない年金です。

また、年金は5年で時効が成立してしまいます。
60歳から特別支給の老齢厚生年金が発生している人が、遅らせれば増えると勘違いして65歳以降に 請求した場合は、5年を過ぎている分が時効で消滅してしまいます。
これは、上記のことを知らなかった場合でも救済されることはありませんので くれぐれもお気をつけください。

(例)
特別支給の老齢厚生年金発生：60歳
請求時期：66歳
時効消滅する期間：60歳〜61歳の1年間

これは、当たっています。
社会保険未加入に加入しながら働いて給与を貰っている人は、 給与額によって年金の一部が停止される場合があります。 この制度を在職老齢年金制度と言います。

65歳までは給与(標準報酬月額＋前1年間の賞与合計/12)と特別支給の老齢厚生年金※1の月額を足して ２８万円を超える場合は以下の計算式によって一定額が年金から停止されます。


65歳以降は給与(標準報酬月額＋前1年間の賞与合計/12)と老齢厚生年金※2の月額を足して ４６万円を超える場合は超えた額の半額が年金から停止されます。


停止額が年金の月額を超える場合は全額停止になります。 ただし、老齢基礎年金(国民年金)は停止対象ではありません。

※1 加給年金は含みません。
※2 加給年金と差額加算は含みません。

(例)
【65歳前の場合】
標準報酬月額：20万円
前1年間の賞与合計額：60万円
特別支給の老齢厚生年金月額：10万円
年金停止額＝(20万円＋60万円/12＋10万円−28万円)/2＝3.5万円

【65歳以降の場合】
標準報酬月額：30万円
前1年間の賞与合計額：60万円
老齢厚生年金月額：15万円
年金停止額＝(30万円＋60万円/12＋15万円−46万円)/2＝2万円

停止された年金は後で戻ってくるものではありません。

これは、当たっています。
特別支給の老齢厚生年金を貰っている人が、会社を辞めてハローワークから失業給付(昔の失業保険)を 貰う場合は、その間年金は停止されます。

※1 失業手当の受給日数が17日未満の月は事後清算制度が適用され年金の一部が支払われます。

また、失業手当以外にも高年齢雇用継続給付を受け取っている場合も年金の一部が停止されます。


停止された年金は後で戻ってくるものではありません。

国民年金保険料は60歳までが義務ですが、厚生年金保険料は70歳までが強制加入の対象になります。

これは、一部の人には当たっています。
ご自身の厚生年金期間が20年以上ある場合に、ご自身の年金に配偶者加給年金が加算される可能性があります。
ただし、配偶者加給年金は配偶者が65歳になるまでに限られます。

また、以下の場合には、厚生年金期間が20年以上であっても配偶者加給年金は加算されません。
・ご自身が特別支給の老齢厚生年金の定額部分が発生した時や老齢基礎年金が発生した時に、配偶者が既に65歳になっている場合
・配偶者も厚生年金期間や共済年金期間が20年以上ある場合(ただし、年金が全額停止されている場合を除きます。)
・配偶者の収入が850万円以上ある場合

配偶者加給年金は、夫婦が逆の場合であっても加算されます。

６５歳から貰える老齢厚生年金を請求せずに６６歳以上で請求した場合に、 本来貰える年金額より多く貰うことが出来ます。
具体的には、1ヶ月遅らせるごとに将来受け取るときに年額0.7％増額して受け取れます。
最長の70歳間で遅らせた場合は、65歳から受け取るより42％増額された年金を受け取ることが出来ます。

厚生年金基金とは、いわゆる年金の3階部分になります。
1階に国民年金、2階に厚生年金、3階に厚生年金基金となっています。

65歳までは1人1年金の原則がありますので、2つの年金を同時に貰うことは出来ません。※1
ただし、以下のように同じ理由で発生している年金の1階部分(基礎年金)と2階部分(厚生年金)は同時に貰うことが出来ます。
　　・老齢基礎年金＋(特別支給の)老齢厚生年金
　　・障害基礎年金＋障害厚生年金
　　・遺族基礎年金＋遺族厚生年金

＜注意＞上記の内容は全て新法での貰い方になりますので、旧法の年金に関しましては異なります。

65歳以降は、併給ができるようになり年金の種類によって貰い方が異なります。
以下の表にまとめてましたのでご参考にして下さい。

障害厚生年金とは、障害年金の2階部分になります。
障害厚生年金は1級〜3級までの年金と障害手当金という一時金があります。

遺族厚生年金とは、遺族年金の2階部分になります。