教えて年金先生

  年金機構から何か届いたさん(仮名)

年金機構から付加保険料の特例納付が出来ますという通知が届いたけどこれは何?



まず、付加保険料とは、通常の国民年金保険料に月額400円上乗せして支払うことにより、 将来受取る国民年金額(老齢基礎年金額)を増額できる制度です。
そして、この付加保険料制度には、みなし辞退の取扱いというものがありました。

みなし辞退とは、付加保険料制度自体がもともとご自身で申込みをして保険料を支払う制度のため 納付期限までに納付しなかった場合は、付加保険料支払いの辞退を申出たものとみなしますという取扱いです。

しかし、もちろんこんな取扱いを皆様が知っている訳もなく、みなし辞退扱いになった以降も かわらず付加保険料を支払っている方が多数いました。
では、このみなし辞退扱い以降の納めた付加保険料はどうなるのかというと、無効扱いとなり後日還付となる予定でした。

しかし平成24年に、このみなし辞退の取扱いをやめますという法改正があり、それが平成26年4月に開始されました。
その結果、以下のことが可能になりました。
 @過去10年分のみなし辞退以降の付加保険料納付済期間で、
  還付になっていない無効期間を有効にすることが出来る
  →有効を希望しない場合は、無効期間の付加保険料が後日還付されます。
 Aみなし辞退扱いになり、付加保険料を納付できなかった期間を納付することが出来る
  →納付意思を示さない限りは、現状とかわりません。

今、皆様のところに届いている書類(ハガキ)は、上記対象者に@Aの扱いをどのようにしますか? という確認のご案内です。



  外山さん(仮名)

年金を受取る為には、住民票等のいろいろな書類をそろえないといけないと聞きました。 その為、手続きが一回で終わることはほとんどないと周りの人は言っています。
この度、マイナンバー制度が開始されましたが、年金の手続きも簡素化されるのでしょうか?



日本年金機構は、先の年金情報流出問題を受けて、マイナンバー制度の導入を遅らせることが決定しています。
その為、現状では手続きの簡素化等はなされていません。



  学生さん

20歳になりましたが、まだ大学生で収入がないので年金が払えません。どうしたらよいでしょうか?



国民年金には、保険料免除等のいろいろな制度があります。
その中のひとつに、学生納付特例制度があります。
この制度は、「10年間の間に保険料を納めれば、今は納付を猶予します」という制度です。
払えないからといって放っておくのではなく、是非こういった制度を利用して下さい。
放っておいて未納扱いになってしまうと、障害年金等を利用する場合に納付要件を満たせずということになりかねません。
是非、一度年金事務所にご相談にいってください。



  公務員一筋さん(仮名)

共済年金がなくなったというのは本当ですか?



はい。本当です。
共済年金は、平成27年10月1日をもって厚生年金に統合されました。
そのため、今までは共済年金から支給される年金は退職共済年金と呼ばれていましたが、今後は老齢厚生年金に統一されました。 しかし、共済組合自体がなくなったわけではないので、今まで通り質問や年金請求などは受け付けてくれます。



  田島さん(仮名)

10年前に障害状態になって、最近になって障害年金の制度を知ったのですが、障害年金は遡って請求出来るって本当ですか?



はい。本当です。
ただし、初診日の証明が出来て、初診日から計算して1年半目(一部例外があります)の診断書が取得出来ないと遡っての請求は出来ません。
また、10年前まで遡って認められた場合でも年金の支払いの時効が5年までなので、実際受取れる年金額は5年前までのものになります。



  しんじさん(仮名)

働いていると年金がカットされるって聞いたんだけど?



年金を受給している人が、会社から給与を貰っている場合は確かに年金が全部または一部カットされる場合があります。
ただし、働いてる人全てがカット対象ではなく、働いていてかつ社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している人が対象になります。
また、70歳以上で厚生年金の加入が終了した方や75歳以上で健康保険の加入が終了した方でも年金をカットされる場合があります。



  橋本さん(仮名)64歳

私の友達は今62歳でもう年金を貰っているんだけど、全然減額なんかされてないわよって言ってるの。 年金って65歳から貰えるもので、それより早く貰うと減額されちゃうんじゃないの?



国民年金は65歳からですが、厚生年金や共済年金に1年以上加入している人は65歳前から年金が発生します。
この65歳前の年金は、受け取っても65歳からの年金が減らされることはありません。※
もし橋本さんが厚生年金や共済年金に1年以上加入したことがあるのであれば、是非お近くの年金事務所に年金受給の手続きに行ってください。
ちなみに、65歳前の年金は待っても増えない年金なので、年金受給の手続きを遅らせるメリットはありません。
※65歳前の年金は、生年月日によって年金発生時期が異なりますので発生時期より早く受給する場合は減額されます。



  鎌田さん(仮名)45歳

今までずっと年金を納めていなかったんだけど、どうしてもこれから厚生年金に加入しなくてはいけなくなってしまった。
どうやったって60歳までに年金受給最低要件である25年納められないんだから意味ないんじゃないか?



田中さんの年齢からすると確かに60歳までにはどうやったって15年しか納められません。 しかし、厚生年金は70歳までが強制加入対象になっていますので、70歳で25年に到達することが出来ます。
また、消費税が10%になれば25年要件を10年まで引き下げることは決定されていますので、無駄になることはないと思われます。
さらに、障害年金や遺族年金は平成38年まで直近1年間に未納がなければ受給できる場合がありますので、そういった意味でも加入して損はないかと思われます。



  田中さん(仮名)

基金代行額って何?



厚生年金基金(企業年金)に加入したことがある人が厚生年金を受給する場合は、厚生年金額の一部を厚生年金基金(企業年金)が代行して支払うシステムをとっています。
その代行する年金額のことを基金代行額と呼んでいます。



  けんたろうさん(仮名)

失業給付をもらうと年金はもらえなくなるの?



その通りです。
失業給付(基本手当)を受給している間は、年金はカットされます。
ただし、失業給付を貰い終れば自動的に年金はまた支給されるようになります。